"Svislando, mozaiko de kontrastoj" prelegis S-ino Mirejo en Sapporo
ミレイユ=グロジャン氏講演会「モザイク国家スイスの平和教育」報告
                      HEL事務局長 川合由香

La 21an de februaro okazis prelego de S-ino Mirejo en Sappro kun latemo de la temlinio. La cxielo malfavoris nin per forta negxblovado de laantauxa vespero. Antauxtagmeza prelego havis 20 auxskultantojn. En posttag-meza kunsido en alia cxambro partoprenis 9 por interparoli kun sxi. Unuestis ne-esperantisto. Vesperan bankedon bonvenigi sxin cxeestis 9 samide-anoj. El ili F-ino Ookubo Rinko aperis unuafoje en esperantista kunsidode SES/HEL. (La red. )

 去る2月21日、スイス人エスペランチスト・ミレイユ=グロジャン氏の「モザイク国家スイスの平和教育」と題した講演会を、札幌エス会と共催で「かでる2.7」にて行った。ミレイユ氏にとっては3回目の訪日で、昨年の和歌山での日本大会からのち、京都のPasporta Servulo・田平正子氏宅を拠点にずっと日本に滞在して、各地へ足を延ばし、行く先々で相手の要望に応えて講演を重ぬてきた由。
 ミレイユ氏は、スイス、ヌシャテール州(フランス語圏)の小学校で語学教育を担当してきた。他の言語圏や外国(スイスでは全人口の20%が外国人とのこと)から転入してきた子供のための「言語適応学級(どの学校にもあるらしい)」で先生をしていたのだそうだ。スイス平和教育連合の共同会長の要職にあり、"EChanges de classes cle’en main"、ほかの著書がある。エスペラント関係では、スイスエスペラント協会共同会長。世界エスペラント協会スイス代表委員、ジュネープ国連欧州本部の世界エスペラント協会代行、国際エスペラント検定審査委員長などを務めておられる。
 夫君はすでに亡くなり、2人のお子さんはジュネーヴの国連事務所で働いているとのこと。現在は年金生活で、自由になった時間を精力的に満喫しておられるようだ。
 講演1時間、質疑応答が1時間であった。語学力という点だけで言えば、通訳はすべて星田委員長にお任せしたほうが無難だったのだろうが、いつまでもHELが星田氏におんぶに抱っこというのはよろしくない、との考えから、川合(37歳)、樺山裕介氏(40代入り口)が通訳の一部を分担した。はじめにスイスの地理・地勢、次いで言語の使用状況、といった内容で午前中の講演会はあらかた終わってしまい、平和についての質疑は午後の座談会に持ち越された。スイスが「重武装中立」の国であることは知っていたが、ミレイユ氏の話によると、「武装放棄」の是非を問う国民投票を政府が行ったところ、35%が賛成し、65%が反対して、この提案は流れたという。しかし、この投票は旧ユーゴスラヴィアなど地理的に近い地域が乱れたときに行われたので、「いま投票を実施したら、武装放棄派はもっと増えるかもしれない」とのことだった。それで、川合が「非武装中立というのは、可能か、夢想か?」と質問したところ、「可能だと思う。世界では小国を含めて50カ国が軍備を放棄している。日本にはお手本になって欲しい」との答えであった。しかし、その1週間後、「北朝鮮がテポドン2号を配備」とのニュースが日本に入ってきた。けしからん話である。東アジアでは非武装中立への道は簡単ではなさそうだ。
 午後の座談会で特に盛り上がったのは、白濱晴久氏(SES会員)の、「言語も地域によりバラバラ、宗教もバラバラ、産業もバラバラ(というかめぼしい産業がない)なのに、どうしてスイスは一つの国にまとまっていられるのか、どうしてそんな国を造ったのか」というテーマであった。これに対するミレイユ氏の答えが面白かった。「連邦への加入を希望するkantono(あえて日本語にすると「県」であるが、それよりも独立性・自律性が高い;たとえば義務教育の制度もkantonoごとに異なる)が、望んで集まってできたのがスイスという国だから」だそうだ。「EUの拡大過程に似ているかもしれない」と氏は補足した。多分、言語や宗教、産業の線引きが地域ごとに一致していると、独立を求める動き(たとえばオランダ)が出やすいのではないだろうか。
 夕方より例の「KKR札幌」にてbankedo。切替英雄氏の個人教授を受けている、窪田倫子氏(34歳)が川合の誘いに応じて参加してくれた。普段着が着物(!)という彼女は、bankedoにも着物姿で現れ、ミレイユ氏をおおいに喜ばせていた。
 肝心の講演への参加者であるが、HEL・SESの会員が9名、一般の方が11名であった。連悪く前日より札幌は猛吹雪となっており、それが出足を鈍くさせた一因かもしれない。一般の参加者は、昨年の5月合宿に来てくださった方・9月のエルプラザ誕生祭の出展に来てくださった方・星田氏が個人的なつてで葉書を出してそれに応じてくれた方が中心だったが、特別なつてのない方も2名いた。これは佐藤英治組織部長のまいたビラの効果かもしれない。事前にマスコミ(道内の新聞社4社)に「催し物案内」としてこの講演会の宣伝を依頼したのだが、実現しなかったようで、それがいささか残念であった。
 蛇足であるが、、昨年の和歌山での日本大会の折、「会場近くのコンビニで、携帯電話のプリペイドカードの購入を手伝ってあげたスイスからの参加者」とは、ミレイユ氏のことである(「Heroldo de HEL」n−ro 122)。その話をしたら、「オー、思い出しました!」と満面笑顔に。「Kune kun cxarma filo,cxu ne?」と言われて、悪い気はしなかった。
 今回、参加者名簿に名前と住所を書いてくださった方々には、今後もHELの行事案内を積極的にしていきたいと思う。そのなかからHEL会員になってくださる方が現れるのを心待ちにしている。(fino)


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