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「小オキキリムイが自ら歌った謡『クツニサ クトンクトン』を読むための

4. 単語集


この単語集は、見出し語として2の書換え文に あらわれる、全ての語・助詞・接辞を含んでいる。

接尾辞の前、接頭辞の後、派生語か合成語の間にハイフンを置く。

各見出し語の後に、語の種類、意味、文法的な説明を示す。

見出し語の後に、先の書換え文にあらわれた、 その見出し語を含む全ての派生語、 複合語を置いた。 それらのうち、「>」印が前についたものは、 別に見出し語としてある。

見出し語として、(語ではなく)見出し語を含んだ句を置いたところもある。

アイヌ語はすべて斜字体であらわした。


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A Cx E H
I J K M
N O P R
S T U Ux

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A

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a1
[助動詞]
(ある事柄が、完了したことを示す。)
a ike > ike
a uxa > uxa
(指示連体詞の構成要素として)
>nea
-a2
[他動詞語基をつくる接尾辞]
>sauxa
an
[一項動詞]
~が、存在する。
>hauxean
sine an to ta > to (an to: 文字どおりには「存在する日」。)
ari
[後置詞的副詞]
~(道具)で
(例えば、 Okikirmuj tucxi ari rupnekur kik 「オキキリムイが大槌でおとなをたたいた」。この語基には引用を導く機能がある。)
"..." ari hauxe an 「~は "..."と言う。 (文字どおりには、「~は "..."で言う。」)
"..." ari itak ~は "..."と言う。
ari isoitak ~は、そのように語る。
as1
[一項動詞]
~が立つ。
humi as > humi
>punas
as2
[人称接辞]
(主格; 一項動詞の後に置く。cxi1 および un1 を参照。) 私は
hosippa as 私は家に帰る。
inkar as 私は見る。
inu as 私は聞く。
paje as 私は行く。
sinot as 私は遊ぶ。
-atki
[自動詞語基をつくる接尾辞] (kvk語根の反復形に付き、kvk語根が表わす音の繰り返しを示す。)
>cxopopatki


Cx

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cxep
[名詞]
魚。
kamuj cxep 鮭。
cxi1
[人称接辞]
(第一に主格を表わす、二項動詞の前に置く。; 第二に所有格を表わし、名詞の所属形の前に置く。as2un1を参照。) 私は;私の。
cxi eramesinne 私は、~で安心する。
cxi esikari 私は、~を取り去る。
cxi jajkosanke 私は、~を私の中から取り出す。
cxi kik 私は、~を叩く。
cxi karku ne kur 私の甥。
cxi nukar 私は、~を見る。
cxi ruska 私は、~に対し怒る。
cxi oarkaje 私は、~(長いもの)を完全に壊す。
cxi oanrajke 私は、~を完全に殺す。
cxi osauxsauxa 私は、~(長いもの)の端を何度も揺する。
cxi2-
[不定人称接辞]
あるもの; 自然の力 (この接頭辞は使役接尾辞を持った動詞語基について、動詞語基の行為が、動作主には生命がないにもかかわらず、あたかも意志を持った行為をするかのように実現することを示す。)
san ~が、下る。
sana-san ~が、流れに沿って下る。
sana-san-ke ~が、~を流れに沿って下らせる。
cxi-sana-san-ke 自然の力が、~を流れに沿って下らせる。すなわち、~が、あたかも生きているかのように、流れに沿って下る。
us ~が、~へくっつく。
o-us ~(長いもの)の下の端が、~にくっつく。すなわち、~(長いもの)が、それ自体の下の端を~にくっつける。
o-us-i ~が、~(長いもの)の下の端を、~にくっつける。
cxi-o-us-i 自然の力が、~(長いもの)の下の端を、~にくっつける。すなわち、~(長いもの)が、あたかも生きているかのように広がり、その末端が、~に届く。
cxis
[一項動詞]
~が泣く。
cxi-sana-san-ke
[一項動詞]
(cxi-参照。)
cxi-o-us-i
[一項動詞]
(cxi-参照。)
cxop-
[kvk語根]
(水が跳ねる音を表現した擬音語)
>cxopopatki
cxopop-atki
[一項動詞]
(cxopop-cxop-の反復形。)
~(光景)は、水が何度も跳ねている。


E

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e1
[人称接辞]
おまえは。
>ehumna
e-2
[補充接頭辞]
~で。 (この接頭辞は、節の中に新しい名詞句を導入する。たとえば mina「~が、笑う」、 mina as 「私が、笑う」; e-mina 「~1が、~2 に対し/について笑う。~字義通りには、~1が、~2で快く感じて笑う」、neap cxi e-mina「私は、それに対し/について笑う」e- は、~2 (-neap)を、節へ補充する働きを持ち、そのため「補充接頭辞」と呼ばれる。
>ejajtemka
-e3
[使役接尾辞]
> kaje
-e4
[所属接尾辞]
(名詞の所属形を作る。たとえば、tek 「手」、tek-e 「~の(両)手」、 rupnekur tek-e 「おとなの(両)手」。)
>hauxe
ehumna
[文]
(原著者は、これを「おまえは、誰だ」と訳した。おそらく原形は、 e ek hum ne jaである。)
e-jaj-temka
[二項動詞]
~が、~で生き返る;~が、~で元気になる。
ek
[一項動詞]
~が、来る
>ehumna
ene
[指示副詞]
そのように;次のように。
ene itak i> itak
eramesinne
[二項動詞]
~が、~のため落ち着いている。
esikari
[二項動詞]
~が、~を取り去る。
esoro
[後置詞的副詞]
~(川)に沿って下流へ、または海へ。
pet esoro 川に沿って下流へ、または海へ。
etok
[位置名詞]
~(行くもの)の目標位置
>etoko
pet etok ta 川の源で。
pet etok un 川の源へ。
(pet etok(ta/un) 「川の源(で/へ)」と pet etoko (uxa) 「川の源の」は同じ意味をもつ。)
etoko
[位置名詞]
(etok 参照。)


H

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haux
[名詞]
声。
>hauxe
uxen mina haux > mina
uxen sinot haux > sinot
haux-e
[名詞]
「~の声」。(haux「声」の所属形)
>hauxean
hauxe-an
[一項動詞]
~が、話す。(元の意味は「~の声がある」。)
ari hauxean > ari
hemespa
(hemesu の複数形。)
hemesu
[一項動詞]
(複数形: hemespa) ~が、川をさかのぼる。
hosipi
[一項動詞]
(複数形: hosippa) ~が、帰る。
hosippa
(hosipi の複数形)
hum
[名詞; 形式名詞] (hum と、下の humi との意味の違いは不明。)
>ehumna
>humi
humi
[名詞; 形式名詞]
音、匂い、皮膚感覚、超感覚(気配)、すなわち視覚以外の感覚;それはこの接辞によって名詞化された節の内容と共におきる。
{ikkeux noski cxi kik} humi {腰のまん中を叩く}時にでる音。
humi as この接語の名詞節の内容と共におきる音、または、生じる(文字通りには立ちあがる)視覚以外の感覚。例えば、 rupnekur ek humi as 「おとながやって来ることと共に、気配が生じる。」すなわち「私はおとながくる気配を感じる」言い替えれば、「おそらく、おとなが来るだろう。」


I

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i1
[形式名詞]
ene itak i > itak
i-2
[不定人称接辞]
(目的格形: 主格形はla nominativa formo estas cxi-2) あるものを。
> inu
-i3
[所属形名詞をつくる接尾辞]
>sinricxi
ike
[形式名詞]
(接続助詞の役割を果たすことがある。)
a ike ~のとき。
inu as a ike 私が聞いたとき。
ikkeux
[名詞]
背中。
ikkeux kiror > kiror
ikkeux noski 腰とつながっている背骨の一部。
kosan ikkeux > kosan
imakakehe
[位置名詞]
~のかなた。
iuxan pokna sir imakakehe 六つの地獄のかなた。
inkar
[一項動詞]
~が、見ることをする。
inkar as a uxa 私が見ると(思いがけない光景が見えた)。
inkar as ko 私が見ると(思ったとおりの光景が見えた)。
i-nu
[一項動詞]
~が、聞くことをする。
isoitak
[一項動詞]
~が、物語る。
> ari isoitak
itak
[一項動詞]
~が、話す。
ari itak > ari
ene itak i ~が、次のように話すこと (この名詞句は、引用文を導く働きを、持つ。)
iuxan
[連体詞]
六つの~ ; 非常に多くの~。
iuxan pokna sir 六つのまたは、非常に多くの地獄。


J

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ja
[終助詞]
(疑問文を作る。たとえば、e oman 「おまえは行く」、 e oman ja? 「おまえは行くか?」)
rajke 「~が~を殺す」jaj-rajke 「~が自殺する」)
>ejajtemka
>jaje-
>jajko-
jaj-e-
[接頭辞群]
自分自身について
> jajejukar
jajejukar
[一項動詞]
~が、詩句の形で自分自身について物語る。
jaj-ko-
[接頭辞群]
自分自身から。
>jajkosanke
jajko-sanke
[二項動詞]
~が~を自分の体から出す。
jan
[終助詞]
(命令文で使われ、丁寧なニュアンスを加える。)
jukar
[一項動詞]
~が、詩句の形で物語る。
>jajejukar


K

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kamuj
[名詞]
神。
kamuj cxep > cxep
kan
[律を整える接語]
(意味を持たず、詩句の音節の数を満たすために用いられる。)
kar
[二項動詞]
~が、~をする。
uraj kar > uraj
karku
[名詞; 名詞の所属形]
甥 ; ~の甥
cxi karku ne kur 私の甥。 (詩句形。字義どおりには、「私の甥である人」。これに相当する散文形は、kur karku。)
kasuj
[二項動詞]
~が、~を手伝う。
kaj
[一項動詞]
~が壊れる。
>kaje
kaj-e
[二項動詞]
~が、~を壊す。
>oarkaje
-ke
[使役接尾辞]
>rajke
>sanke
kik
[二項動詞] ~が、~をたたく。
uraj kik > uraj
uraj kik tucxi > tucxi
kir
[名詞]
骨髄。
>kiror
kir-or
[名詞]
筋力 (元の意味は、「骨髄のある場所」である。アイヌは、筋力の源が骨髄にあると信じていたのだろう。)
mon tum kiror ikkeux kiror 全身の筋力 (原著者は、この句を「全身の力、腰の力」と訳したが、文字どおりには、間違いなく「腕の力、背中の力」である。mon tum kirorでなく、この句全体が、全身の力を暗示しているのだろう。)
ko1
[接続助詞]
(続く文の事柄が、前文と同時に起こることを意味する。)
hemespa ko ~が、上るとき。
inkar as ko 私が、見るとき (私は予想どおりの光景を見る)。
ko-2
[補充接頭辞]
~へ ; ~から。(補充接頭辞については e-2参照。)
>kosan
>kooterke
>kouxen
>jajko-
ko-oterke
[三項動詞]
~が、~を~へ蹴る。
kor1
[二項動詞] ~が、~を持つ。
pon rupnekur kor uraj kik tucxi 小男が持っている大槌。
kor2
[接続助詞] (同時性をあらわす。)
cxis kor hosippa ~が、泣きながら帰っていく。
haux pepunitara kor hemespa 声が「ペッペペペッ」と響き、(声とともに) ~が、登って行く。
ko-san
[二項動詞]
~が、~に下る/傾く。
kosan ikkeux -に傾いた背骨。
-kosanu
[自動詞語基をつくる接尾辞]
(擬音のkvk語根について、音が瞬間的に起こることを表す。)
>tokkosanu
ko-uxen
[二項動詞]
~が、~を嫌う。 (文字どおりには、「~が~について悪くなる」)
kur
[名詞的助詞]
人。
cxi karku ne kur > karku
>rupnekur
kusu
[接続助詞]
(前文の内容が、後文の内容の動機、理由あるいは原因であることをあらわす。)
kutnisa kutun kutun
[繰り返し文句]
(意味は不明。)


M

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mon
[名詞]
手、腕。
mon tum kiror >kiror
mosir
[名詞]
くに、世界。
pokna mosir > pokna
mina
[一項動詞]
~は笑う。
uxen mina haux 大きな笑い声。


N

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-n
[単数の自動詞語基をつくる接尾辞]
>san
-na
[自動詞語基をつくる接尾辞]
(場所を示す名詞に付き、存在の動詞語基を形成する。)
>pokna
>sana
ne
[二項動詞; 連体詞; 自動詞語基をつくる接尾辞]
~である~; その~。
cxi karku ne kur > karku
>nea
>rupne
ne-a
[連体詞]
前に述べた~。
>neap
nea-p
[名詞]
その人、それ。
nesko
[名詞]
胡桃(くるみ)の木.
nesko uxakka 胡桃の木の樹皮の抽出物を含む水。アイヌは、そこから黒い染料を得る。
nesko uraj 胡桃の木の枝で作った川の柵。
nesko uraj ni 川の柵用の胡桃の木でできた杭。
ni
[名詞]
木; 材木; 木製の棒。
uraj ni > uraj
-no
(uxa参照)
>orouxano
>uxano
noski
[位置名詞] ~の真ん中。
ikkeux noski > ikkeux
nu
[二項動詞] ~が、~を聞く。
>inu
nukar
[二項動詞]
~が、~を見る。
nupki
[一項動詞]
~が泥だらけである。
nupki uxakka 濁った水。


O

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o-1
[部分接頭辞]
~(長いもの)の下端(末端)。
>cxiousi
>osauxsauxa
o-2
[補充接尾辞]
~の方へ。 (補充接尾辞については e-2 参照。)
>oterke
oanrajke
[二項動詞]
(oar rajke. アイヌ語の音韻規則により rrnrに変化する。) ~が、~を完全に殺す。
oar-
[副詞的接頭辞]
完全に
>oanrajke
>oarkaje
oar-kaje
[二項動詞]
~が、~を完全に壊す。
Okikirmuj
[名詞]
主人公の名前。
pon Okikirmuj 小さな Okikirmuj; 若いOkikirmuj; 少年の Okikirmuj.
oman
[一項動詞]
(複数形: paje) ~が(山へ)行く。
or(o)
[位置名詞]
~があるところ。
>kiror
>orouxano
oro-uxa-no
[副詞]
それから。 (朗唱の流れの中断を埋める働きを持つ。元の意味は、「そこから」。)
o-sauxsauxa
[二項動詞]
~が、~の下端を何度も揺する。
o-terke
[二項動詞]
~が、~を踏みつける。
>kooterke


P

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p
[名詞的助詞]
物; 人。 (例えば、pirka p「良いもの」; cxi rajke p「私が殺した人」;un rajke p 「私を殺した人」。)
(指示名詞の構成要素として)
>neap
paje
(omanの複数形)
pep-
[kvk語根]
(笑い声をあらわす擬音語)
>pepunitara
pep-unitara
[一項動詞]
~(笑い声)が、「ペプペプペプ」と鳴り響く。
pet
[名詞]
川。
pet esoro 川に沿って(山へ行く)。
pet etok(o) 川の水源。
pirka
[一項動詞]
~が、良い。
pirka rera さわやかな風
pirka uxakka きれいな水
pok
[位置名詞]
~の下。
>pokna
pok-na
[一項動詞]
~が、下にある。(普通、連体詞的に使われる。)
pokna mosir 地下の世界。(=地獄)
pokna sir 地下の世界。 (=地獄)
(pokna mosirpokna sir は同じ意味。 4音節からなるpokna mosir は単独で一詩句となるが、3音節の pokna sir はそうならない。これは iuxan pokna sir 「六つの地獄」という詩句の中にあらわれる。)
pon
[一項動詞]
~が、小さい/若い。
pon okikirmuj > okikirmuj
pon rupnekur > rupnekur
punas
[二項動詞]
(元の形は puni as) ~が、~を上げて立つ。
punas punas ~が、~を何度も上げて立つ。
puni
[二項動詞]
~が、~を持ち上げる。
>punas


R

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raj
[一項動詞]
~が死ぬ。
>rajke
raj-ke
[二項動詞]
~が、~を殺す。
>oanrajke
rera
[名詞]
pirka rera > pirka
rup-
[kvk語根]
(大きいことをあらわす。)
>rupne
rup-ne
[一項動詞]
~が大きい。
>rupnekur
rupne-kur
[名詞]
大人。成年者。
pon rupnekur 小さな男。
ruska
[二項動詞]
~が、~(事柄)のせいで怒る。


S

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sa
[名詞]
より下の流れ; 下方。
>san
>sana
sa-n
[一項動詞]
~が流れに沿って行く。; ~が下流へ行く。
>sa
>sana
>sanke
sa-na
[一項動詞]
~が流れの下の部分にある。
>cxisanasanke
san-ke
[二項動詞]
~が、~を下に行かせる。; ~が、~を出す。
> cxisanasanke
>jajkosanke
saux-
[kvk語根]
(揺れる様子をあらわす。)
>osauxsauxa (saux の繰り返しは何度も揺れることを表現している。)
saux-a
[二項動詞]
~が、~を揺らす。
>osauxsauxa
sine
[連体詞] ひとつの/ある~。
sine an to ta > to
sine pon rupnekur 一人の小男
sinot
[一項動詞]
~が遊ぶ。
uxen sinot haux 大きな笑い声。
sinricxi
[名詞]
(<sinrit-i アイヌ語の音韻規則により ticxi に変わる。) ~の根元。
(sinritの所属形。)
sinrit
[名詞]
根元。
>sinricxi
sir
[名詞]
くに; 世界。
iuxan pokna sir > pokna
siri
[形式名詞]
この節辞によって名詞化した文が描写する光景。vidajxo, kiun propozicio substantivigita de cxi tiu vorteto desegnas. (例えば、 rupnekur ek siri cxi nukar 「おとながやって来る様子を私は見る。」すなわち「私は男がやってくるのを見る。」 humiと比較せよ。)


T

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ta
[格助詞]
cxe.
pet etok ta 川の源。
sine an to ta > to
terke
[一項動詞]
~が跳ねる。
>oterke
temka
[二項動詞]
~が、~を生き返らせる。
>ejajtemka
to
[名詞]
日。
sine an to ta ある日に。 (詩句形であり、対応する散文形は sine to。)
tok-
[kvk語根]
(叩く音をあらわす擬音語。)
>tokkosanu
tok-kosanu
[一項動詞]
~が、「トク」と一瞬音を立てる。
{ikkeux noski cxi kik humi} tokkosanu. {私が腰の真ん中を叩く音が}一瞬「トク」と鳴る。
tucxi
[名詞]
大つち。
uraj kik tucxi > uraj
tum
[位置名詞] ~の中。
mon tum kiror > kiror


U

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un1
[人称接辞]
(目的格;二項動詞の前に置く。cxi1 参照。) 私を。
un kasuj ~が私を手伝う。
un nukar ~が私を見る。
un2
[格助詞]
~へ。
pet etok un 川の源へ。
-unitara
[自動詞語基をつくる接尾辞]
(kvk語根に付き、語根があらわす音が続くことを意味する。)
> pepunitara
uraj
[名詞]
漁のための川の柵。
nesko uraj > nesko
nesko uraj ni > nesko
uraj kar ~が川の柵を作る。
uraj kik ~が川の柵を作るため川底に杭を打った。
uraj kik tucxi 川の柵の杭を叩く大つち。
uraj ni 川の柵の杭。
utar
[名詞的助詞]
(複数をあらわす)
kamuj cxep utar 鮭(たち)


Ux

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uxa1
[接続助詞]
そして
a uxa (この助詞は、前文の内容が起きた後に予想外の事が起きることをあらわす。)
uxa2
[格助詞]
~-から離れて; -から分かれて; -から始めて。
pet etok uxa 川の源から
>uxano
uxa-no
[格助詞]
(始発点とそこから伸びる線をあらわす。) ne uraj ni sinricxi uxano kaje 「~が、川の柵の杭を根元のところで壊した (そして、根元の取れた杭を投げ捨てた。)」
>orouxano
uxakka
[名詞]
水。
nesko uxakka > nesko
nupki uxakka > nupki
pirka uxakka > pirka
uxen
[一項動詞]
~が悪い。; ~が悪くなる。; (単に付加的に) 大変な ~。
>kouxen
uxen mina haux > mina
uxen sinot haux > sinot
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